loader image

BLOG

建設現場の熱中症対策|作業員の安全を守るために知っておきたい予防方法

夏の建設現場では、気温や湿度が高くなることで熱中症のリスクが大きく高まります。

特に建設業は、屋外での作業や炎天下での作業、重量物を扱う作業などが多く、熱中症対策が欠かせない業種です。

厚生労働省によると、2025年(令和7年)の職場における熱中症による死傷者数は1,803人。そのうち建設業は292人で、死亡者は5人でした。建設業は熱中症による死亡者数が業種別で最も多くなっています。

今回は、建設現場で働く方や現場管理者の方に向けて、建設現場の熱中症対策について分かりやすく解説します。

建設現場で熱中症対策が重要な理由

建設現場では、直射日光を浴びながら長時間作業することがあります。

また、アスファルトやコンクリートからの照り返し、風通しの悪い場所、高温になった屋根の上や建物内部など、体温が上昇しやすい環境も少なくありません。

さらに、作業服やヘルメット、安全装備などによって熱がこもりやすくなることもあります。

「少し休めば大丈夫」と無理をしてしまうと、症状が急激に悪化する可能性があります。

そのため、熱中症になってから対応するのではなく、熱中症になる前に対策することが重要です。

建設現場でできる熱中症対策5選

1.WBGT(暑さ指数)を確認する

熱中症対策では、気温だけではなくWBGT(暑さ指数)を確認することが重要です。

WBGTは、気温だけでなく湿度、風、輻射熱などを考慮して、暑熱環境によるストレスを評価する指標です。 (厚生労働省⁠)

現場ではWBGT計などを活用し、その日の暑さに応じて作業時間や休憩時間を調整しましょう。

2.こまめに水分・塩分を補給する

汗をかくと、体内の水分だけでなく塩分なども失われます。

「喉が渇いてから飲む」のではなく、作業中はこまめに水分を補給できる環境を整えておくことが大切です。

休憩場所に飲料を用意する、冷たい飲み物を準備するなど、作業員がいつでも水分補給できる環境を整えましょう。

3.休憩場所を確保する

炎天下で作業を続けるのではなく、日陰や空調の効いた休憩場所を確保することも重要です。

大型扇風機、ミスト、冷房設備、冷却用品などを活用し、作業員の身体をしっかり冷やせる環境をつくりましょう。

建設現場では、休憩時間を通常より長く確保したり、WBGTの状況に応じて作業を一時中断したりする取り組みも行われています。 (国土交通省⁠)

4.空調服などの熱中症対策用品を活用する

近年は、空調服や冷却ベスト、冷却タオルなど、さまざまな熱中症対策用品が利用されています。

ただし、対策用品を使用しているからといって、熱中症にならないわけではありません。

水分補給・休憩・WBGTの確認・体調管理と組み合わせて使用することが大切です。

5.作業員同士で声を掛け合う

熱中症の初期症状には、めまい、頭痛、吐き気、倦怠感、大量の発汗などがあります。

本人が「大丈夫」と思っていても、周囲の人が異変に気付くことがあります。

そのため、朝礼や休憩時に「体調は大丈夫か」「水分は取れているか」など、作業員同士で声を掛け合うことが重要です。

2025年から熱中症対策が強化されています

建設業などの職場では、熱中症による重篤化を防ぐため、2025年6月1日から改正労働安全衛生規則が施行されました。

対象となる作業では、

  • 熱中症のおそれがある作業者を早期に発見するための体制整備
  • 熱中症が疑われる場合の対応手順の作成
  • 作業員への周知

などが事業者に求められています。

対象となる作業は、WBGT28℃以上または気温31℃以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行うことが見込まれる作業です。 (都道府県労働局所在地一覧⁠)

つまり、現在の建設現場では「暑いから気を付けよう」という呼びかけだけではなく、熱中症が発生した場合にどう対応するのかを事前に決めておくことが重要になっています。

熱中症の症状が出た場合はどうする?

熱中症が疑われる場合は、まず無理に作業を続けさせないことが大切です。

基本的には、

  1. 作業から離脱させる
  2. 涼しい場所へ移動する
  3. 身体を冷却する
  4. 状況に応じて医療機関への受診・搬送につなげる

など、事前に決めた手順に沿って対応します。

意識がおかしい、意識がない、自力で水分を取れないなどの状態では、緊急対応が必要です。

熱中症は重症化すると命に関わるため、「少し休めば大丈夫」と判断せず、異常があれば早めに対応しましょう。

建設現場の熱中症対策は「全員で取り組む」ことが大切

熱中症対策は、作業員一人だけに任せるものではありません。

会社、現場責任者、職長、作業員がそれぞれの立場で安全を意識することが重要です。

特に、

「暑い日は無理をしない」
「こまめに水分を取る」
「体調が悪いときは早めに伝える」
「周りの仲間の異変にも気付く」

という習慣を現場全体でつくることが、熱中症事故の防止につながります。

厚生労働省も、WBGTの把握・活用や水分・塩分補給、健康状態の把握、教育、緊急時の対応体制などを熱中症対策として示しています。 (厚生労働省⁠)

まとめ|安全な建設現場をつくるために

建設現場では、夏の暑さによる熱中症を完全になくすことは簡単ではありません。

しかし、

  • WBGTを確認する
  • こまめに水分・塩分を補給する
  • 十分な休憩を確保する
  • 涼しい休憩場所を用意する
  • 空調服などを活用する
  • 作業員同士で声を掛け合う
  • 熱中症発生時の対応手順を決めておく

といった対策を積み重ねることで、リスクを減らすことができます。

安全第一の建設現場をつくるためにも、熱中症対策を「夏だけの特別な対策」ではなく、現場の安全管理の一部として取り組んでいきましょう。